【ベトナム】現地レポート:「ベトナム乳業」(ビナミルク)③
ビナミルクの業績を支える、ベトナムの乳製品消費量の伸び
(【ベトナム】現地レポート:「ベトナム乳業」(ビナミルク)②より続く)
乳製品を摂取する習慣のなかったベトナム
不採算部門の清算、販路の拡大、経営資源の効率化などが奏功し、マーケットの信頼を勝ち取っているビナミルク。だがこうした企業努力と共に、同社の業績の伸長を支えている大きな要因として、ベトナムにおける乳製品の消費量の増加がある。乳製品業界で一人勝ちの状態がつづいているビナミルクにとって、乳製品の消費量の増加は直接に業績へと結びついている。
もともとベトナムには、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を摂取する習慣がなかった。現在では、コンビニやスーパーなどに乳製品が置かれるのは当たり前の光景となっているが、これはまだ都市部のみの光景で地方においては乳製品が小売店に並ぶことは少ないという。乳製品を摂取する層はベトナム総人口の20%程度であり、その大半は都市部の住民だ。
乳製品の代表格である牛乳を見てみると、ベトナム全体の消費量は他の東南アジア諸国と比べてもまだ低い。一人当たりの年間の牛乳消費量は2006年時点でわずか10.92Kgと、日本の75.27 Kgには遠く及ばず、同じ東南アジアのタイの24.24 Kgやフィリピンの17.29 Kg、マレーシアの40.12 Kgなどに比較しても少ない。さらに東南アジア平均の15.85 Kgにも達していない。
毎年伸びる牛乳の消費量
だが、現在は急速に牛乳を中心とした乳製品の普及が進んでいる。そしてその成長するペースを見ると、普及率の低さはそれだけ市場に伸びシロがあると捉えることができそうだ。
2000年には8.3 Kgほどだった一人当たりの牛乳消費量は、2009年には14 Kgに届き、およそ10年で68%も増加している。前出のチュック氏は言う。
「弊社の調査によれば、牛乳の消費量については今後、毎年10%程度のペースで増加してゆきます。そして60 Kgに達するまでこのペースは続き、60 Kg前後で横ばいになるか、減少してゆくと考えています」
さらにチュック氏は、今後ベトナムにおいて乳製品が普及していく背景として以下の三つ要因を指摘した。
①所得の上昇
「現在乳製品の普及が進んできているとはいえ、ベトナムでは乳製品の価格は国民の所得に対して高いといえます。今後は国民の所得が増加することによって、だんだんと手が届きやすいものとなってゆきます」
②若年層を中心とした習慣の普及
「もともと牛乳を飲む習慣がベトナムにはありませんでしたが、現在では牛乳が支給される学校に通う子供もおり、若い世代を中心に牛乳を飲む習慣が浸透し始めています」
③政府主導で乳製品を普及
「まだまだ豊かと言えないベトナムでは、人々の栄養の摂取が重要な政策課題となっています。そのため、政府が主導して栄養化の高い乳製品の普及に取り組んでいます。学校など教育現場に導入するだけに留まらず、TVの健康番組や雑誌で、乳製品を普及する特集が度々組まれており、弊社の様な乳製品企業と連動してPR活動を行っています」
ベトナム国民の栄養摂取の必要性と一致する乳製品は、潜在的な需要が高く、今後も安定した消費量の増加が予想される。この国民的な需要を担うのが、乳製品業界の最大手である同社だといえよう。
※データ出所:FAO(国際連合食糧農業機関)
http://faostat.fao.org/site/610/DesktopDefault.aspx?PageID=610#ancor
【関連記事】
【ベトナム】現地レポート:「ベトナム乳業(ビナミルク)」(VNM)②
【ベトナム】現地レポート:「ベトナム乳業(ビナミルク)」(VNM)①




